インプラント治療を始める前に
患者さんの口の中の状態はもちろん、全身の状態を把握した上で治療計画を立案します。
今までに受けられた治療のことなど、どんなことでもお話しください。
ご自身のの治療について十分に理解し、納得していただいてから治療を受けることが大切だと考えております。
インプラント治療は、歯科医師の技術だけでは真の成功はつかめません。
患者様もご自分のお口の中の状態についてご理解いただき、ご納得していただいてから治療を受けていただくことが大切です。
さまざまな診査をさせていただき
口の中全体について総合的に診断を行います
問診
口の中の状態(現在困っていること、歯の治療歴など)、全身の健康状態、お飲みいただいているお薬のことなどについて問診させていただきます。
お口の中の診査
実際のお口の中の状態も確認させていただき、むし歯、歯周病、咬み合わせの診査を行います。レントゲン撮影を行い、残っている歯やアゴの骨の状態を確認します。下アゴでは骨の中に通っている神経(下歯槽神経)の位置、上アゴではお鼻の部分の空洞(上顎洞)の位置を確認します。
3次元で撮影するレントゲン(CT)から、歯の無い部分(実際にインプラントを入れる場所)の骨の量・質を3次元的に分析します。また、神経・血管・上顎洞、残っている歯との位置関係も3次元的に把握します。
実際のお口の中の状態を調べるために歯型を作り、それぞれの歯の形・咬み合わせ・歯並び・欠損部の状態などを診査します。残っている歯に問題がある場合など、インプラントのみでなく、その他の歯も含めた治療計画を立てます。
インプラント治療の準備
インプラント治療の前に、残っている歯の治療が必要な場合、むし歯や歯周病の治療を行います。むし歯・歯周病は、細菌感染が原因であったり、力のかかり方(不良な咬み合わせ)が原因だったりしますので、インプラント手術前に治療し、お口の中を清潔でバランスの良い状態にします。
また、それらの治療による改善が見込めない歯は、やむを得ず抜歯する場合もあります。
すぐにインプラント治療ができない可能性もあります
持病や服用中のお薬がある場合
その他、患者様のかかられているご病気や、お飲みになっているお薬などの影響により、感染しやすい、傷が治りにくい、血が止まりにくい場合などは、インプラント治療をすぐにスタートできない場合もあります。
例えば、糖尿病など血糖値がコントロールされていない場合は、まず糖尿病の治療を行い、血糖値がコントロールされてからインプラント治療を行います。
歯並び・嚙み合わせに問題がある場合
歯の無い部分に、インプラントを入れるスペースが不足している場合(隣の歯が寄ってきてしまっているなど)や、歯並びを治す必要がある場合には、先に矯正治療をします。
嚙み合わせが不安定になっているときも、インプラント治療の結果に影響が出ます。嚙み合わせの安定を図るため、マウスピース(ファンクションプレート)などによる嚙み合わせを補正する治療が必要な場合は、インプラント治療を行なう前、もしくは同時進行で治療を進めます。
骨が足りない場合
やむを得ず抜歯が必要な場所では、抜歯の直後に骨の量を増やし、骨の再生力を促す処置を行い、インプラント治療に備えます。
インプラントを入れたい場所の骨の量が不足している場合には、骨を増やす骨造成治療を行う場合があります。
骨の量は不足していても、インプラント埋入は可能な場合、インプラント手術と同時に足りない部分に骨を増やし再生させる処置を行ないます。
前者では通常、骨移植をしてから4~9か月程度の治癒期間の後、インプラント手術を行います (使用する骨移植材料・治療部位や範囲による)。
メンテナンスに関するアドバイスを行います
インプラントに限らず、お口の中の状態を良い状態で保つには、正しいメンテナンスが必要です。
インプラント治療の前に、患者さん自身がきれいにご自身の歯の手入れができるよう、ブラッシングやフロスの使い方をお伝えいたします。また、喫煙はインプラントおよび歯周病治療の成功率を下げるため、禁煙または節煙することが推奨されています。