2021年6月11日

10代の頃から咬み合わせのズレを指摘され、矯正は長年の懸案でしたが、諸事情から何も出来ないままこの年になっていました。

「歯を抜かない矯正治療」をする歯科医院を探していたものの、このご時世、情報がありすぎてなかなか踏ん切りがつかずにいたのですが、そんな時、偶然書店で目にしたのが古田先生の著書です。

元々歯を抜く治療に抵抗があったので内容に逐一頷き、また文章の端々から先生の人柄がにじみ出ていて、「ぜひこの先生に」と、クリニックに伺う前からほぼ即決していました。

実際の先生は想像以上に謙虚な方で(同い年なのに!)些末な事象や、概して無駄な不安や、時には歯とは無関係な相談にも耳を傾けて真摯に答えて下さる姿には、毎度のことながら頭が下がる思いでした。

そんな人格者な先生なので、当然ながらスタッフの皆さんも爽やかな笑顔でかつ丁寧に、何かを質問すれば的確に答えて下さる人たちばかり。

これまた妙に腑に落ちたものです。

上下に装置が入って暫くすると、歯が動き始め、物を噛むのが本当にツラい時期でした。

ワケあってナッツ類を常食としていましたが、一粒一粒ゆっくり噛まざるを得ず、お前はリスか、と目を潤ませながら一人突っ込んでいたのも今となっては笑い話です。

根が無精者の私が、この2年間毎食後20分近くかけて歯を磨き続けられたのは、「虫歯になったら虫歯治療のために矯正治療が中断する」と伺い、それが「ここまでの治療が水の泡になる」という強迫観念となって頭に残ったのも一因でしょう。

しかしそれよりも、毎回先生とスタッフの皆さんから「順調ですね」と励まされたことが何よりの原動力だったように思います。

治療は咬み合わせのズレの矯正がメインで、カウンセリングで「終了しても劇的な変化はなく、ある意味地味ですよ」と先生から伺っていました。

確かに他人の目には、大きな変化はないかもしれません。しかし長年この歯に付き合ってきた本人は、変化を(地味ながらも)ひしひしと感じています。

かつては噛むのが疎かだった側の頬の筋肉の存在を発見し、明らかに正面写真の顔の輪郭も変わり、左のこめかみを押した時にあった痛みもすっかり消え、「イーッ」と口を開いた時にあるべきところに全ての歯が収まっている(当たり前のことかもしれませんが)のが、上下の歯の当たり具合から実感しています。

矯正の是非については様々な意見が巷に溢れています。

私自身、「なぜ今さら?」と何度も聞かれました。

しかし、矯正をした父と、しなかった母の現状を見て(現在二人とも70代で自分の歯を維持していますが、母は歯並びがガタガタで嘆いています)、また自分の治療後の変化を見て、個人的には治療したことに大変満足しています。

今後はこの状態を一生保つべく、今まで以上に自分の歯を大切に扱いたいと思います。

何しろこの2年の歯磨きを考えれば、装置のとれた今は全く苦ではありませんから!

この2年間、ていねいに治療してくださった先生とスタッフの皆さんに心からお礼を申し上げます。

仕事明けでフラフラだった時などは、まさにクリニックが私のオアシスでした。

そしてこれからも末永くどうぞ宜しくお願い致します。

銀座みゆき通りデンタルクリニック 治療ブログ

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